英語学習

【スラッシュリスニングとは】長文英語の理解速度がグッと上がる勉強法【丁寧な解説】

 

「リスニング学習も継続して、短い英文なら理解できるようになったけど、長文になると、英語を拾えない・・・どうしたら英語の長文でも、意味を理解できるようになるの?長文英語を聞き取るための効果的な勉強法が知りたいです」

 

このような悩みを解決します。

 

本記事の内容

  • リスニングには『聞き取る力』と『意味を理解する力』が必要
  • 『長文英語の理解速度が上がる』スラッシュリスニングのやり方
  • 『スラッシュリスニングに適した』教材

 

本記事を書いているわたしは、現在カナダ在住。新卒でサラリーマンになり、3年後にフィリピン留学へ。その後は、オーストラリアとカナダでワーキングホリデーを行う。英語を勉強し始めたのは、会社員になってから。当時の英語力は、be動詞が分からないレベル。独学で英語を勉強しつつ、留学も経験し、現在のTOEICのスコアは820点

 

長文の英語をリスニングしていると、つい日本語訳を考えてしまって、内容の理解に追いつきませんよね。

 

それは、今まで習ってきた「返り読み」が原因になっていることがあります。
返り読みとは、文字通り英文を後ろから訳してしまうこと。

 

たとえば、”I’m playing tennis”は、英語の語順のまま訳すと「わたしはしているテニスを」になりますが、返り読みをすると「わたしはテニスをしている」になります。

 

日本語の構造上、返り読みをしたほうが意味を理解しやすいのですが、それでは、短い英文は理解できても、長文になると、理解が追い付かなくなります。

 

本記事では、長文の英語を理解する方法を解説します。

 

Contents

リスニングには『聞き取る力』と『意味を理解する力』が必要

 

リスニングをマスターするには、英語を「聞き取る力」と、英語の「意味を理解する力」が必要になります。

 

英語を聞き取る力とは、文字通り聞こえてきた英語を聞き取る力の事を指します。

聞き取る力を身につけるには下記のようなスキルが必要。

単語を拾う
英語のリズムを理解する
単語の正しい発音を理解する

 

次に、英語の意味を理解する力とは、単語の意味、英文全体の意味を理解する力の事を言います。

 

意味を理解する力に必要なスキルは下記の通り。

単語をイメージでとらえる力
英文をフレーズでとらえる力
英文の理解スピード

 

「聞き取る力」と「意味を理解する力」はそれぞれ別の学習法が必要

 

聞き取る力と意味を理解する力では、必要なスキルが違います。

 

たとえば、聞き取る力では、単語を拾う作業英語のリズムを認識する作業が必要です。
単語を拾う作業などは、「シャドーイング」や「ディクテーション」を活用して、聞き取れなかった英語を特定して学習します。

 

シャドーイングとは、聞こえてきた英語を、そのまま声に出して追いかける学習法。
完璧にコピー出来れば「聞き取れている」、コピー出来なければ「聞き取れていない」と判断することが出来る。
ディクテーションとは、聞こえてきた英語を、そのまま書き取るという学習法。シャドーイングと同じように、聞き取れなかった英語を特定することが出来る。

 

聞き取れなかった原因を特定することで「聞き取る力」を強化することが出来ます。

たとえば、

聞き取れなかった原因→知らない単語だった→単語力を強化
聞き取れなかった原因→英語のリズムが分からなかった→英語のリズムについて学習

 

尚、シャドーイングもディクテーションも、基本的には短い英文で行います。
長文すぎると、正確に特定することが難しくなるため。

 

シャドーイングについては、>>リスニング学習にシャドーイングが効果的な4つの理由【丁寧な解説】でさらに詳しく解説しています。

 

一方、意味を理解する力は、長文のリスニングをするときに必要になります。
短い英文だと、すぐに訳せるからです。

 

意味を理解する力には、「単語をイメージで理解する」「英語の理解スピード」などが必要と説明しましたが、これらは、全て「英語を英語のまま理解する」ことです。

 

たとえば、「Book」と聞けば、頭で「本」と考えずとも、イメージで本が浮かぶはず。他には、「How are you?」と聞けば、すぐに「I’m fine」と返せるはずです。

 

短い英文だとこのように、英語を英語のまま理解することはたやすいですが、長文になると、途端に出来なくなります。

 

それは、最初に書いた通り、返り読みが原因になっているからです。

 

英語を英語のまま理解する学習は「スラッシュリーディング」や「スラッシュリスニング」を活用

 

英語学習をしている人なら、「スラッシュリーディング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

 

スラッシュリーディングとは、長文を読む際に、フレーズ毎に/(スラッシュ)を入れて、そのまとまりごとに意味を理解する勉強法です。

 

たとえば、以下の英文を読むときは

It’s easy to make /short sentences /in English,/ all you need is a subject, / a verb, / and an object. / But often we want to express ideas / that more complicated/, so we need to make longer sentences. /

のようにスラッシュをいれて読みます。

 

スラッシュリスニングは、言ってしまえばこれのリスニング版です。
まとまりごとに読むのではなく、まとまりごとに聞いていくリスニング法です。

 

スラッシュリスニングやスラッシュリーディングは、英文を一文まるごとに訳すのではなく、英語の語順のまま意味を理解するのがポイント。

 

英語の語順のまま理解することで、英文の理解スピードを速めることが出来るようになります。

 

しかし、英語の語順のまま理解できないと、意味を理解するのに時間が掛かってしまい、「スピードについていけない」や「長文英語の意味を理解することが出来ない」ということになってしまいます。

 

でも、「英語を英語の語順のまま理解するって難しいんじゃ」と思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。

 

たとえば先ほどの例文を英語の語順のまま訳してみます。

It’s easy to make /short sentences /in English,/ all you need is a subject, / a verb, / and an object. / But often /we want to express ideas / that more complicated/, so we need to make/ longer sentences. /

作るのは簡単/短い文/英語で/必要なのは主語/動詞/それと目的語。/でも時々/アイデアを表現したい/もっと複雑な/だから作ることが必要/もっと長い文を

 

どうでしょう?英語の語順のままでも、意味は理解できるはず。

 

このように、英語の語順のまま理解するという勉強法を重ねることで、英語を英語のまま理解できるようになります。

 

長文英語の理解速度が上がるスラッシュリスニングのやり方

 

上記で少し解説しましたが、さらに掘り下げてスラッシュリスニングのやり方について解説します。

 

スラッシュリスニングのやり方は下記の通り。

1. 先に『英文を読んで理解』しておく(スラッシュリーディング)
2. 『スクリプトを見ながら』音声を聞く(まとまりを意識しながら)
3. 『スクリプトを見ずに』音声を聞く(英語の語順のまま理解する)
4. 『シャドーイング』で復習

 

それぞれ、順番に解説します。

スラッシュリスニングのやり方①:先に『英文を読んで理解』しておく

 

参考としてTEDの動画を使います。TEDは「英語音声」「スクリプト」どちらも手に入るのでおすすめです。››TEDはコチラ

 

好きなことを仕事にするには?」についてのスピーチです。

 

まずは、スクリプトを読んで内容を理解する。
分からない単語や文法を理解するためです。

 

この時に、スラッシュリーディングを用いりながら、英語の語順のまま理解するようしましょう。この後にするスラッシュリスニングがやりやすくなります。

 

スラッシュを入れる間隔にルールはありません。自分が理解できる間隔で入れましょう。
始めは短い間隔で、慣れてきたら徐々に間隔を広げていきましょう

 

たとえば、上記の動画の冒頭18秒部分

I'd just come back/ from living in Spain/ for a while, / and I'd joined this Fortune / 500 company. / I thought, / "This is fantastic. / I'm going to have / big impact / on the world."/ I had / all these ideas. / And within/ about two months, / I noticed/ at about 10am / every morning / I had/ this strange urge to/ want to slam / my head through / the monitor of my computer. /

 

このスラッシュごとに意味を理解できるようにしておきます。わからない単語や文法は、この時に調べておきます。

 

スラッシュリスニングのやり方②:『スクリプトを見ながら』音声を聞く

 

次に、スクリプトを見ながらリスニングをしていきます。
この時に、英語の語順のまま理解するように意識してください。

 

音声のスピードが早ければ、止めながらで大丈夫です。

 

スラッシュリスニングのやり方③:『スクリプトを見ずに』音声を聞く

 

スラッシュリーディングで区切ったまとまりを意識して、音声に集中して聞いてください。
この時に注意するのは、絶対に後ろから訳さないこと

 

必ず、英語の語順のまま理解するようにしてください。

 

全ての英文を聞こうとせずに、はじめは英語の語順のまま理解できる範囲で止めて大丈夫。

 

たとえば、先ほどの例文の場合

I'd just come back/ from living in Spain/ for a while, / and I'd joined this Fortune / 500 company. / I thought, / "This is fantastic. / I'm going to have / big impact / on the world."/ I had / all these ideas. / And within/ about two months, / I noticed/ at about 10am / every morning / I had/ this strange urge to/ want to slam / my head through / the monitor of my computer. /

 

太字部分まで理解出来て、それ以降は理解できなかったら、一旦太字部分で音声をストップ。

 

もう一度頭から聞き直し、徐々に理解できる範囲を広げていく。
これを全体の意味が理解出来るまで、繰り返していきます。

 

スラッシュリスニングのやり方④:『シャドーイング』で復習

 

英文全体の意味を理解したら、シャドーイングをして、完璧に聞き取れているかを確認します。

 

シャドーイングをするときは、スラッシュの間隔を広げると効果的です。

 

たとえば、下記のように間隔を広げます

I'd just come back from living in Spain for a while,/ and I'd joined this Fortune 500 company. /

 

スラッシュ毎にシャドーイングしてもOK。語順のまま理解することを意識します。

 

1~3の手順を繰り返すことで、長文の英語を、瞬時に理解することが出来るようになり、4の手順で、正しい発音、リズムが身につきます

 

スラッシュリスニングに適した教材とは

 

ここでは、スラッシュリスニングに適した教材の選び方を解説します。

 

スラッシュリスニングに適した教材①:スクリプトと音声がついている教材

 

スクリプトと音声がついていれば、なんでも大丈夫です。
スクリプトは、英文を理解するために必ず必要なので、用意する必要があります。

 

さらに、「音声の速度変更が可能」「秒数単位で巻き戻しが出来る」教材であればベストです。

 

わたしがいつもリスニングに使っている「TED」は、スクリプトと音声はもちろん、速度の変更も出来ますし、聞き直したい箇所を指定して巻き戻すことも可能です。

 

詳しくは、››【TED】リスニング学習に『おすすめのTED Talks5選+α』【学習の進め方を丁寧に解説】で解説しています。

 

‐スラッシュリスニングに適した教材②:海外ドラマ

 

海外ドラマもスクリプトが手に入りやすいので、スラッシュリスニングに適しています。

 

海外ドラマのスクリプトの入手方法は、「原題+script」で検索。
たとえば「プリズンブレイク」なら「Prison Break script」で検索します。

 

あとは入手したスクリプトを、ノートに書き起こしてもいいですし、メモ帳やワードにコピペでもOK。

 

わたしがいつもスクリプトを入手するのは››コチラのサイトです。

 

参考【英語勉強におすすめ】アマゾンプライムで見れる海外ドラマ8選【勉強法を5ステップで解説】

 

まとめ:スラッシュリスニングでワンランク上のリスニング力をゲット

 

以上、スラッシュリスニングについて、効果とやり方を解説しました。

 

英語の語順のまま理解するということを心がければ、いままで苦労していた長文英語も、難なくこなせるようになります。

 

長文の英語を理解できるようになれば、リスニングについてはほとんどマスターしたと言えるでしょう。

 

あとは、実践形式で経験をつめば、ネイティブとの会話でもスラスラ理解できるようになります。

 

実践の英語と、リスニング教材の英語の違いは、「台本があるかないか」です。
たとえば、TEDにしても、海外ドラマにしても、ある程度の台本が用意されています。リスニングの参考書なんかは台本通りのセリフしかありません。

 

しかし、実際の会話には台本はありません。会話のトピックはコロコロ変わりますし、話し方だって人それぞれ。
このような「生の英語」は実践でなければ身につきません。

 

わたしは留学で「生の英語」を学びましたが帰国後も英会話カフェなどに行って勉強を続けました

 

英語は、使わないとドンドン忘れていってしまうからです。

 

英会話カフェは、友達と会話するような感覚で英語を学べる場所です。
英会話スクールのような、堅苦しいレッスンが無いので、気軽にお茶する感覚で行くことが出来ます

 

詳しくは、下記の記事で解説しています。

 

英会話カフェ以外にも、「オンラインだけで学びたい」や「短期で集中的に学びたい」など4パターンのニーズ別に紹介しています。

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